フナイシの映画なぐりがき。

映画の事をまいぺーすに書いていきます。

「君の名は。」真の2.5次元映画 ネタバレ感想



f:id:funahoda:20160903130715j:plain



「君の名は 。」(2016)


オススメ度 A(万人が楽しめる!)


〜鑑賞前の心境〜

テレビアニメを観ることはそこそこあるのですが映画単体の作品はそんなに観たことがなく、ジブリ作品ですら最後に観たのはハウルの動く城になってしまっている状態だったので、新海誠さんのことは最近まで殆ど知らかったです。けれど予告編での映像と音楽が魅力的だったのと、自分の中では「ハウルの動く城」以来久しぶりに聴いた神木隆之介君と「ちはやふる」で存在感のあった上白石萌音さんの声の演技が二人とも良い感じに思えたの事もあって観に行こうと思い、初体験となる新海誠作品が自分の目にどう映るか楽しみにしていました。



















〜鑑賞後の感想〜


  85点 


☆良かった所


①アニメと実写の間にあるかの様な空気感


現実の風景を二次元で忠実に表現しようと思うのなら最終的には写真になってしまうのかもしれません。しかしこのアニメで精巧に表現された街並みは現実のとアニメの間存在してるかの様な独特な雰囲気を持っているのです。アニメのキャラクターがそこで生きていても不思議では無いし、逆に自分達が良く知る街並みともとらえることができ本当にこの世界は存在してるかの様な感覚に陥りました。また耳からの情報もすごくリアルで、効果音ではアニメ的な表現は無く現実であってもおかしく無い音に限定されてましたし、声優にも俳優さんを多く採用しているたり、声優の中でもアニ声抑えめな演技も出来る方々(個人的に花澤香菜さんのチョイ役が嬉しかった! 笑)が演じてある事によってキャラクターに良い意味でぶっ飛んで無いリアリティを持たせていた様に感じます。そういった視覚と聴覚の両方に訴えかけてくる「君の名は 。」では実際アニメと現実がリンクしているような2.5次元の世界に自分がいるように思えるのです。 そういう体験をできるだけでもこの映画を観る価値は大いにあったし、ストーリーにもより深く入り込めたのだと思いました!



②現実離れしてる様で共感できるストーリー


「君の名は  。」のストーリーは昔ながらの男女入れ替わりモノと思いきやディザスタームービーの一面もあり、最終的には運命の人を見つけるというかなりてんこ盛りな内容でした。特にディザスター映画としてはつい最近「シン・ゴジラ」によって、人間ドラマを排除することでディザスター映画はより面白くなるというが証明された気がしていました。しかしこの映画は全く反対で災害自体と人間ドラマがかなり密接になっていて、そのうえちゃんと面白かったです。その理由はズバリこの映画は「青春時代は幻想的でありディザスターである」と言うことを表現したかったのではと思いました。起こってる事自体は現実離れしてるのに学生時代に戻った様な気分で鑑賞出来たのはあの時全ての物事がこの映画の様な雰囲気で感じていたからかもしれません。瀧くんと三葉ちゃんが事件の事を忘れてしまったのも大人になってから「なんで昔あんな事したんだろう?」と大人になった今では理解出来なくなった青春時代の思い出の暗喩の様に思えました。だからこそラストでお互い名前を聞くのは普通の人は取り戻せないかも知れないかけがえのない少年少女時代の感覚を2人が取り戻す事を切に願ったからだと考えます。


瀧くんと三葉ちゃんが恋に落ちる理由ですが、互いの体を通じて深く理解し合えた事だけでなく2人の境遇が似ていたから可能性があるとも思いました。映画の中では瀧くんのお母さんの姿が映っていません。離婚、死別、もしくは単に離れて暮らしているだけかもしれませんが、それでも母親がそばにいない事に彼なりの苦悩があったのだと思います。だから三葉と入れ替わった時に彼女にも母親が近くにいないことは自然とわかる為、心の何処かでそれが気になっていた筈であり、三葉の記憶を垣間見た時、彼女の母親との死別を目の当たりにしてより強いシンパシーを感じたのかもしれないと思いました。




★ちょっとだけ不満


尺がちょっと短いように思えました。主役2人の関係が展開するのが早かった様に感じられたので、TVシリーズ化を希望します!(でも展開が早いのも青春は直ぐに過ぎていくことの暗喩かもと思ったり・・・笑)


後、これを言うのはどうかとは思いますが本当に真面目な方が一生懸命作られた作品だと思うので、完成度が高いのですが・・・なんというか真面目過ぎて逆に面白味にかけると言うか・・・「凄く美味しいお水を飲まされた気分」というか・・・


いや、勿論面白かったのですけどね 汗 なんかごめんなさい 笑



まとめ


アニメ映画はジブリ(時々細田守さんw)という印象が強かったのですが、2.5次元を見せられているような新海誠さんの作品はより多くの人が入り込めやすく、新しいアニメのスタンダードとして定着していくように思えました。そんなターニングポイントになるかもしれない作品を劇場で観ることができてとても満足しています。新海誠さん、面白かったです!