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フナイシの映画なぐりがき。

映画の事をまいぺーすに書いていきます。

「聲の形」 子供が大人になるまでの険しい道のりを描いた映画。 ネタバレ 感想

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聲の形(2016)


オススメ度 S(どんな人にも見て欲しい。ただし精神が安定してる時に!)


〜鑑賞前の心境〜


「聲の形」は原作も読んだことが無かったので、本作を初めて知ったのは映画館で予告編を観た時でした。、その時は昔いじめてた子と仲良くなる 普通の恋愛モノかな〜という具合のテンションで、特に予告編でよくある「自分の知らない人やキャラクターの名前を主人公が絶叫してる」というシーンが苦手なので、当初はそんなに興味は湧かなかったのです。しかし、後で京アニさんのアニメだということがわかって「けいおん!みたいなほのぼのした映画かな ♪

絵もいい感じだし面白いかもね〜w」ぐらいの呑気なテンションでたまたま時間があった為、緩〜い気持ちで鑑賞したのでした。










〜鑑賞後の心境〜


個人的評価  95点


☆良かったトコロ


①キャラクターがみんな個性と魅力に溢れていた!


「聲の形」では登場人物全員のキャラ分けがしっかりとしていてそれぞれが実在してもおかしくないようなバランスのキャラクターだったので、観客が自分に近い人物ついついを探して感情移入してしまう様な映画になっていると思います。この様な手法はどこか「桐島、部活やめるってよ」を連想させられました。しかしこのキャラ分けがしっかり出来ていることがイジメという劇中での大きなテーマの一つに密接にリンクしているというのが本作の凄いところです。キャラクターの性格が多種多様である以上イジメに対する立場も多種多様になる為、自然と自分に近い登場人物の誰かに感情移入するのと同時に自身のの立場からイジメ問題について考えさせられる事になるのです。その結果物語に深く入り込み事が可能となり、アニメでありながらとてもリアルに感情を揺さぶってくるのだと思います。


キャラクターのそれぞれの魅力は挙げだしたらキリが無いですが、特に注目したのがヒロインの西宮硝子ちゃんでした。彼女が聴覚障害であるが故に、口数は少ないけど明るいという独特なキャラクター像を作り出していたし、必死に何かを伝えようとしてる感じとかもとても可愛かったため、耳が聞こえないことは「ハンディキャップでは無くちゃんとその人の個性であり魅力である」という事がしっかり表現されていたため制作陣は原作漫画はあるものの動きや仕草を含めて本当に真っ当な姿勢でキャラクターを作りあげているのだなと思い、グッと来ました。




②主人公の成長譚として完ぺきだった!


前文で観客おのおのが感情移入出来ると書きましたが、自分は主人公に一番感情移入しました。この主人公の様にイジメではありませんが、小学生の時はとてもやんちゃで自己中心的であった為「君は王様じゃないんだよ!」とよく怒られた物でした。そしてこの主人公と同じように過去に素行が悪かった人間が一番苦しむのは中高生という大人になる途中の段階だと思います。中高生になると良心や思いやりという事を徐々に理解していくのと同時に過去の悪ガキだった自分を許せなっていくため、やり場のない怒りや悲しみに悩まされるのです。この映画では主人公のそういう過程が丁寧に描かれていたのです。確かに主人公のイジメは度が過ぎていましたが、まるで殺人でも犯したかの様に自分が幸せになることを拒絶し、生きている価値すら無いのではないかと自問自答する描写は所々思い当たる節があり映画を見ている間胸をえぐり取られるようでした。そして主人公に自分を投影したすべての大人と同じように彼も劇中でちゃんと答えを見つけます。「自分が死んで償う程の事とはもう思わない。」というセリフから自分の悪い過去や側面を取り除くのでは無く、許し受け入れる事が必要だったという事に気づくことで大きく成長したのだと思います。自分さえ良ければいいと思っていた子供から、悩める少年時代を経て大人になる。そのプロセスが丁寧に描かれている事が本作最大の魅力であり、だからこそ今までの自分を見ているかの様に心を揺さぶられたのだと感じました。



★ちょっとだけ不満


aikoさんの曲めっちゃいい曲だけどあんまり本作と合っていないと思うのは僕だけでしょうか・・・笑


「主人公が拒絶していた他人を受け入れて号泣するラスト」からの「ah 〜 恋をしたのは〜」とい流れにはかなり違和感を感じました。


しかもaikoさんは原作ファンというからますます疑問に・・・


恋愛要素もあったけどそれよりも大事なテーマが沢山ある映画だと思っているのですが人それぞれってことですかね。


けれど今は「もし硝子ちゃんの耳がある日聞こえる様になったのなら、今まで口にして伝える事が出来なかった思いをこれでもかと吐き出している歌」なんじゃないかと考えて自己完結しています w



まとめ


以上のように自分にとってとてもいい経験をする事が出来た映画でした。監督の山田尚子さんはとても「けいおん!」と同じ監督さんとは思えない程幅広いセンスの持ち主だと感じ、もっと注目していかねば💦と反省した次第です。

「スーサイド・スクワッド」 良くも悪くも悪い人達の良いトコが観れる映画 ネタバレ感想

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スーサイド・スクワッド (2016)


オススメ度B(期待し過ぎると・・・)


〜鑑賞前の心境〜


「DCの悪役が大集合して頑張る!」と言う話を聞いた時から結構期待していた作品であり(ハーレイ・クインとデットショット、後ジョーカーぐらいしか知らなかったけど笑)ビジュアルや予告編が長期間に渡ってこまめに出てきてくれたおかげで期待値が持続したし、結果向こうでの興行的成功にも繋がったのではと思います。しかし海外での酷評や俳優やワーナーに対する悪い噂が飛び交っているのも知っていたので、作品に対する不安も自然と募って行きました。しかし、期待値がいい具合に下がった分逆に楽しめるのではと思い映画を観ることにしました。















〜鑑賞後の心境〜


お気に入り度 70点


☆良かったところ


ハーレイ・クインジョーカーが良かった!


ハーレイ・クインってあんまり可愛いイメージが無かった(いい作品に今まで出会えて無かったのかな)けれども、とても魅力的でした。「可愛いから許す!」という言葉は彼女の為にあったと言っても過言ではないくらい、どんな悪さをしてもお茶目にしか見えないし可愛いかったです。その一方でジョーカーへの献身的な姿や彼が死んだと思い、その悲しさを隠すために笑ったりなど現実離れしたキャラクターが見せる等身大の女性の姿もマーゴット・ロビーによって見事に表現されており、予告編の時点でわかっていた事かもしれませんが皆んなに愛されるキャラクターになっていたと思います。


そして彼氏のジョーカーもまたかっこ良かったです。ジャック・ニコルソンヒース・レジャーのそれぞれが映画史に残る程のインパクトのあるジョーカーを演じていただけに、新しいジョーカーであるジャレッド・レトに対しても大きな期待と不安を持っていたのですが、従来のジョーカーよりもパンクっぽい弾けたビジュアルでいながらも威厳を失っていない佇まいは見事の一言。また今までのジョーカーと違って彼はボスであり、単独行動ではなく仲間と積極的に連んでいたり、ハーレイ・クインを自殺に追い込んだり、見捨てて自分だけ逃げたりしても、結局は頑張って取り戻そうとしたりなど、どこか人間味に溢れたジョーカーは新鮮で良かったです。



②ウィル・スミスのデットショットが良かった!


ここが賛否が分かれる理由かも知れません。ウィル・スミスが脚本を捻じ曲げたと言われるぐらいデットショットは活躍し、娘とのハートフルなドラマまで織り込まれているのです。はっちゃけた映画を期待していた人はこの部分にがっかりするのも無理はありません。しかし悪い事をしてきた男が渋々立ち上がって世界を救おうとする姿は、アイアンマンが好きな自分にとっては大好物な要素であり 笑  本作のデットショットはかなり好きになりました。娘絡みのシーンも悪く無く、娘の幻影を見せられてもそれを振り切る姿はベタですがかっこよかった。特に好きなのはラストの娘との限られた面会のシーン。父親が殺しのノウハウを生かして娘に変数を教えるのは一見どうかしているのですが、例え「人殺し」であってもそれはデットショットが人生をかけて学んできた事であり、デットショットがそれを否定したり隠したりするのでは無く、そこから娘に「人が変われる」という事を教えるのはとても美しいと思いました。



★ちょっとだけ不満


かなり楽しんだ方だと思いますが、やっぱり明るい作風で見たかったというのが正直な気持ちです。そして女ボスのアマンダ。あの人こそゲスの極み乙女なのに全然成敗されなかったのが残念でした。バットマンは協力なんかしないでデットショットの前にあいつを制裁すべきです 怒   w



まとめ


以上のようにはっちゃけた映画では無かったものの楽しめる要素は沢山あり、個人的には好きな映画でした。期待値をかなり下げて観たっていう部分も運が良かったのかも 笑 。後、不満で少し触れましたがダークナイト・リターンズな雰囲気のベンアフレックバットマンが大好きな自分にとってバットマンの活躍が思ったより観ることが出来たのもポイントが高かったです!



「君の名は。」真の2.5次元映画 ネタバレ感想



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「君の名は 。」(2016)


オススメ度 A(万人が楽しめる!)


〜鑑賞前の心境〜

テレビアニメを観ることはそこそこあるのですが映画単体の作品はそんなに観たことがなく、ジブリ作品ですら最後に観たのはハウルの動く城になってしまっている状態だったので、新海誠さんのことは最近まで殆ど知らかったです。けれど予告編での映像と音楽が魅力的だったのと、自分の中では「ハウルの動く城」以来久しぶりに聴いた神木隆之介君と「ちはやふる」で存在感のあった上白石萌音さんの声の演技が二人とも良い感じに思えたの事もあって観に行こうと思い、初体験となる新海誠作品が自分の目にどう映るか楽しみにしていました。



















〜鑑賞後の感想〜


  85点 


☆良かった所


①アニメと実写の間にあるかの様な空気感


現実の風景を二次元で忠実に表現しようと思うのなら最終的には写真になってしまうのかもしれません。しかしこのアニメで精巧に表現された街並みは現実のとアニメの間存在してるかの様な独特な雰囲気を持っているのです。アニメのキャラクターがそこで生きていても不思議では無いし、逆に自分達が良く知る街並みともとらえることができ本当にこの世界は存在してるかの様な感覚に陥りました。また耳からの情報もすごくリアルで、効果音ではアニメ的な表現は無く現実であってもおかしく無い音に限定されてましたし、声優にも俳優さんを多く採用しているたり、声優の中でもアニ声抑えめな演技も出来る方々(個人的に花澤香菜さんのチョイ役が嬉しかった! 笑)が演じてある事によってキャラクターに良い意味でぶっ飛んで無いリアリティを持たせていた様に感じます。そういった視覚と聴覚の両方に訴えかけてくる「君の名は 。」では実際アニメと現実がリンクしているような2.5次元の世界に自分がいるように思えるのです。 そういう体験をできるだけでもこの映画を観る価値は大いにあったし、ストーリーにもより深く入り込めたのだと思いました!



②現実離れしてる様で共感できるストーリー


「君の名は  。」のストーリーは昔ながらの男女入れ替わりモノと思いきやディザスタームービーの一面もあり、最終的には運命の人を見つけるというかなりてんこ盛りな内容でした。特にディザスター映画としてはつい最近「シン・ゴジラ」によって、人間ドラマを排除することでディザスター映画はより面白くなるというが証明された気がしていました。しかしこの映画は全く反対で災害自体と人間ドラマがかなり密接になっていて、そのうえちゃんと面白かったです。その理由はズバリこの映画は「青春時代は幻想的でありディザスターである」と言うことを表現したかったのではと思いました。起こってる事自体は現実離れしてるのに学生時代に戻った様な気分で鑑賞出来たのはあの時全ての物事がこの映画の様な雰囲気で感じていたからかもしれません。瀧くんと三葉ちゃんが事件の事を忘れてしまったのも大人になってから「なんで昔あんな事したんだろう?」と大人になった今では理解出来なくなった青春時代の思い出の暗喩の様に思えました。だからこそラストでお互い名前を聞くのは普通の人は取り戻せないかも知れないかけがえのない少年少女時代の感覚を2人が取り戻す事を切に願ったからだと考えます。


瀧くんと三葉ちゃんが恋に落ちる理由ですが、互いの体を通じて深く理解し合えた事だけでなく2人の境遇が似ていたから可能性があるとも思いました。映画の中では瀧くんのお母さんの姿が映っていません。離婚、死別、もしくは単に離れて暮らしているだけかもしれませんが、それでも母親がそばにいない事に彼なりの苦悩があったのだと思います。だから三葉と入れ替わった時に彼女にも母親が近くにいないことは自然とわかる為、心の何処かでそれが気になっていた筈であり、三葉の記憶を垣間見た時、彼女の母親との死別を目の当たりにしてより強いシンパシーを感じたのかもしれないと思いました。




★ちょっとだけ不満


尺がちょっと短いように思えました。主役2人の関係が展開するのが早かった様に感じられたので、TVシリーズ化を希望します!(でも展開が早いのも青春は直ぐに過ぎていくことの暗喩かもと思ったり・・・笑)


後、これを言うのはどうかとは思いますが本当に真面目な方が一生懸命作られた作品だと思うので、完成度が高いのですが・・・なんというか真面目過ぎて逆に面白味にかけると言うか・・・「凄く美味しいお水を飲まされた気分」というか・・・


いや、勿論面白かったのですけどね 汗 なんかごめんなさい 笑



まとめ


アニメ映画はジブリ(時々細田守さんw)という印象が強かったのですが、2.5次元を見せられているような新海誠さんの作品はより多くの人が入り込めやすく、新しいアニメのスタンダードとして定着していくように思えました。そんなターニングポイントになるかもしれない作品を劇場で観ることができてとても満足しています。新海誠さん、面白かったです!


「ジャングル・ブック」帰ってきたアイアンマンな映画。 ネタバレ感想



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ジャングル・ブック (2016)


オススメ度 A (燃えも萌えもあるよ〜)



〜鑑賞前の心境〜

最近は小さい頃に見た映画の続編やリブートが大量に作られる様になったため、子供の頃の作品に対する印象と大人になった今の印象を自然と比較できる機会が増えてありがたい限りです。今回のジャングル・ブックもそんな作品の一つで、「歌って踊って楽しい!」というぼんやりとした記憶だけ残ってました 笑。しかも監督はあのジョン・ファブローなのです!ジョン・ファヴロー監督の「アイアンマン」は大好きな映画ですし、彼が主演と監督を務め、自身の映画人生を料理に置き換えたような映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を観てからはシェフ=監督が不器用だが好きなものへの思いは真剣で、だからこそみんなから愛されているんだということがヒシヒシと伝わってきてより一層彼のことが好きになりました。あのシェフがその後どういう人生を歩んでいくのかは当然ジョン・ファブロー自身を追いかけ続けることで分かります。そして今回「ジャングル・ブック」という超高級食材をジョン・ファブローがどのように料理してくれるのか楽しみにしていました。

















〜鑑賞後の心境〜



個人的評価  80点  



☆良かったトコロ


◯半端じゃない動物の描写


この映画の動物たちは言葉を話すことが出来るので設定上は人間とそう変わらないドラマを描くことが出来そうですが、動物が喋る描写に説得力を持たせるのは非常に難しい気がします。けれど全ての動物が丁寧に造り出されていて表情豊かであり、偽物であるはずのCGの動物たちに驚くほど感情移入できますした。しかもそこで描かれるドラマが「家族からの独り立ち」「相手を思いやるが故に苦しむ友達」など思わず泣いてしまうテーマのオンパレードであり心打たれたり 涙。特にモーグリを想う狼の母親とその子供達が大好きです。さらにリアル異種格闘技な動物同士の熱い戦闘シーンやスカーレット・ヨハンソンが声を当てている為か無駄にエロい蛇の誘惑シーン、さらに愉快なミュージカルシーンとあらゆる要素がてんこ盛りな上動物によって生み出される全てのシーンが新鮮に感じられたので結果お腹いっぱい楽しめました!





☆ちょっとだけ不満からの良かったトコロ 笑


◯ラストに首をかしげつつも・・・モーグリに感じたアイアンマン魂‼︎


ズートピア然り、レゴムービー然り、最近のファミリー向け映画には物凄く深いテーマや大人な結論に至る作品が多いので若干そういうものを期待していたのですが以外とシンプルな結末でした。ワザとではないとはいえモーグリは森を火の海にしたのに彼自身その事に対して自責の念を感じないまま話は進み、他の動物たちもモーグリよりトラのシアカーンを最後まで敵視しており最終的に和解の無いままシアカーンは倒されてしまうのです。自身のもたらした火は象の力を借りて消すことが出来たのですが、結局は自分がやった事の尻拭いをしただけなのにジャングルの王であるかの様に崇められるというラストは話が良すぎはしないかと思ったりしました。


しかし「自分の過ちを清算することによって英雄となる」という話。


そうこれは同監督の「アイアンマン」と同じ話なのです! !笑 


「アイアンマン」ことトニー・スタークは自分自身で物を作り出すことができる「DIY精神」が彼の強みとなっていました。そしてモーグリも自分で道具を生み出すことによってジャングルで活躍し、最終的に仲間にも「人間の戦い方をしろ!」と認められることで「DIY精神」というアイデンティティーを確立するのです!そんなモーグリの姿を見て昔のトニー・スタークを思い出し、シビル・ウォーまでの戦いですっかり暗くなってしまった今のアイアンマンがまたDIY精神で明るい自分をなんとか取り戻してくれないかな〜と思ったり・・・(しみじみ)



つまり「アイアンマン」も「ジャングル・ブック」も「DIY精神」というテーマで共通しており、ポップな語り口を含めてジョン・ファブローの作品が一貫して持っているテーマなのだと思いました。 





まとめ


本当に映像的には斬新でしたし、アイアンマンを初めてみた時と同じような気分にさせて貰った事からジョン・ファブローに変わらぬ映画への愛を感じました。僕自身も「DIY精神」を忘れずに毎日を過ごしながら、監督の次回作を楽しみにしたいと思います!


「シン・ゴジラ」 圧倒的な絶望感、でも勇気が貰える映画 。 ネタバレ感想



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シン・ゴジラ(2016)  


オススメ度 S (どんな人にも観て欲しい!)


〜鑑賞前の心境〜

僕にとってゴジラは小さい頃から側にいたような存在であり映画を観て楽しむこと、笑うこと、悲しむこと、考えること・・・今の自分に無くてはならない色んな事を教わった気がします。だからこそハリウッド版の二作も含めて、全てのゴジラがかけがえのない作品です。特に2014年の「 GODZILLA ゴジラ 」は、最新のVFXで表現されたゴジラと怪獣プロレス、そしてゴジラシリーズにたまにある脚本の荒さ (殴)まで全てが愛おしく、童心に帰らせてくれた大事な一本になりました。その2014年版に対抗する様に、今年満を持して公開される事になった12年ぶりの日本版ゴジラであるシン・ゴジラ。自分にとって庵野秀明さんの作品は良い時と悪い時の差が激しい印象があり、どうなるか全く検討もつかない状態。その為鑑賞する当日ですら期待と不安に押し潰されそうになりながら席に着き、映画が始まるのを待ちました。













〜鑑賞後の心境〜 


個人的評価      98点


☆良かったところ


ゴジラゴジラへの愛に溢れた演出に感動!


鑑賞前にあった不安は映画が始まるとすぐに吹き飛びました。現在の東宝ロゴが出た後に、わざわざ旧東宝ロゴと大きな足音、初代ゴジラのオープニングがカラーで再現され「これは凄い映画になるぞ。」と緊張が別の物になりました!


そして今回のゴジラ、段階的に進化するという斬新なものでとても面白かったです! 

特に好きなのは第二形態から第三形態に進化するシーン。ゴジラとは似ても似つかない第二形態(お目目クリクリで可愛いw)が伊福部さんの初代ゴジラのテーマに合わせてゴジラらしい姿の第三形態に進化するという嬉しい演出なんですが、当時の古い音源のまま初代ゴジラのテーマが流れるので、

音質の悪い音楽と画質の良い映像が同じ劇場に流れることによって生み出される独特の異様さと不気味さがゴジラをより恐ろしく見せていた気がします。


ゴジラが初めて放射熱線をお披露目するシーンも素晴らしく、顎が二股に割れれたり、目にレンズが降りてきたり、煙→炎→ビームと変化する熱線、vsシリーズの体内放射をアレンジしたような背びれからの一斉射撃など絵ズラ自体は笑っちゃうくらい派手ですが直接人が死に至る描写は少ないのです。その部分も含めて庵野さんに縁のある巨神兵の火の七日間と同様の「象徴化された恐ろしさや絶望感」が今回のゴジラに感じられ、初代ゴジラが新たな姿で蘇った様な気がして感極まったのか、恐ろしかったのか涙が溢れていました。


また今回はゴジラが誕生した理由もかなり好きです。ゴジラをよく「人間の愚かさが生み出した哀しい存在」と例える方が多く、自分もこの考え方が好きです。しかし僕は今までの和製ゴジラには「人間というよりアメリカの愚かさが理由で生まれたものが、日本を脅かす」という側面を強く感じてきました。実際ハリウッド版ゴジラでは2作品ともゴジラ誕生の原因がアメリカに無かったことに不満のを言う人が多かったことからも、自分と同じ印象を持っている方は少なくないと思います。

ですが今回のシン・ゴジラでは特定の国に原因は無く、各国の人々が秘密裏に捨てた放射性廃棄物が原因でゴジラが誕生したとされていたため最初に述べた「人間の愚かさが生み出した哀しい存在」という側面が純化されていると思い、ゴジラがより普遍的な問題提起をしていると感じたため個人的にとても嬉しかったです。そのうえ今回も核由来の怪獣であり、放射能をまき散らしていることも明確にされていて、「核の申し子」というゴジラが持つ反核のテーマは変わらずに訴え続けているのもいいと思いました。



②登場する人々の描写が素晴らしかった!

実は以外とゴジラ自体よりもこの部分が気に入っているかもしれません。シン・ゴジラでは現代日本が抱える問題や不満が赤裸々に描写されているのです。ゴジラに対する政府の初期対応のずさんさは震災や原発の問題を連想させますし、特にアメリカに対してのオブラートに包まない文句(事あるごとに「かの国は〜」と言うのには笑ったし、「戦後日本はアメリカの属国だ」という台詞にはドキッとした汗)にはここまで言っちゃうんだとビックリしましたが、そういった真実や本音を逃げずに言う姿勢がゴジラという現実離れした存在の登場にも説得力やリアリティを持たせ続けていると思いました。

ただ、この映画の更にいいところは現代社会に対して文句や批判をするだけで終わらないことです。例えばアメリカ批判は確かに多かったですが、日本の為に協力を志願するアメリカ兵が沢山いたり、大使館にいたアメリカ人が日本の人々の事を尊重している様子も映されていました。他にも「総理って大変だね。ラーメン伸びちゃったよ〜」と人によっては怒りかねない(僕は可愛いと思いましたがw)発言をしていた臨時総理も深々と頭を下げて日本の為に尽くしていた事が最後にわかったりして、結果として誰一人として全否定はされていないのです。またスパコンによる日本への協力を快く受け入れるドイツの女性の方、自分も大変だろうに働いている人達の為にすすんでお茶や軽食を持ってきてくれるおばちゃん、そんな色んな場所での人々の優しさが描かれることによって、「人間っていいところばかりじゃ無いかもしれないけど、決して捨てたもんじゃない」と、どこかポジティブな気持ちにさせてくれるのです!そのおかげか二回目の鑑賞では一回目の時には少しイラっとしたような人物に対しても違う見方が出来る様になっていて自分にとって貴重な体験になりました。


そしてもう一つ人々の描写のいいところとして、全ての働く日本人が輝いて見えるような作りになっているところです。この映画には沢山の職業の方が出てきて全員が打倒ゴジラに向けて頑張るのですが、その為に何か特別な事をする人間はいないんです。例えば政治家がすることはあくまで政治活動だし、警察は交通整理、自衛隊は危険な場所へ赴き、消防士は人々を避難させ、科学者は研究に打ち込み、そして優しいおばちゃんはお茶を出す (しつこい笑) 。これらは単にゴジラが関わっているだけで日々その人が行っている仕事内容と殆ど変わりません。初代ゴジラは天才的な科学者が自らの命と引き換えに国を守るという美談でしたが、今回のシン・ゴジラ現代社会に生きる全ての人々が普段の仕事ぶりをゴジラにぶつけて日本を救うのですです!その為この映画自体が社会で働く全ての日本人へのエールになっていると思うのです。國村隼さん演じる自衛官が「仕事ですから。」のセリフからも日本人の良さと仕事を行う人々へのリスペクトの両方を感じました。

そして全ての戦いが終わった後、赤坂の「スクラップアンドビルドで日本はここまでやってきた」というセリフと直後に流れる避難所で笑顔を見せる子供の姿による連続コンボで、まさかシン・ゴジラがこんなにも日本の未来に希望が持てる映画とは思っていなかったので正直泣きそうでした。しかし感動によって緩んだ気持ちを矢口の最後の台詞と人間の業を暗示するようなゴジラ尻尾が映るラスト(初見では「動くのか!?」とおもいましたw)に気を引き締められるので、とてもいい終わり方だったと思います。


★不満だったところ


石原さとみが日本人にしか見えないところです(笑)。あのハイテンションなキャラ自体は好きなのですが、二つの国の間で揺れ動くというのがこの人のもう一つの魅力である筈なのに、どう見ても日本人な石原さとみによって全然揺れ動いてる感が出てない気がしました。もっと日本人離れした容姿の方が同じ役を演じていれば人種を超えて日本に協力してくれる様子に絵的な説得力を持たせてくれるのではないかと思いました。



まとめ

少しだけ文句は言っちゃったものの、本当に日本で生きる全ての人々への応援歌の様な映画でした。ゴジラではなく最後まで人間を応援したのはこれが初めてかもしれません。2016年はいい邦画がどんどん出て来ている気がします。この波に乗ってシン・ゴジラが日本だけでなく日本映画にも希望をもたらしてくれる事を願ってます!シン・ゴジラ本当にありがとう‼︎


今週のお題「映画の夏」